お子様が虫歯にならないために、シーラントというフッ素添加の充填剤があります。生えかけの永久歯のことを幼若永久歯と言います。お子様の中で歯の表面が白い子いませんでしょうか?これは生えかけの頃に、「虫歯になろうかな、いやならないでおこうかなと思って」歯が再石灰化というのを起こして白くなっています。生えかけの頃というのは乳歯の生えている位置よりも低い位置に幼若永久歯がありますので、奥歯のところは特に食べ残しがあるお子様がいらっしゃいます。実際に歯のくぼみが白くなってきたり黒くなってきたりする子がいます。そういう時にはエナメル強化をする虫歯予防のシーラントというフッ素入りの充填剤を入れることをお薦めします。これは歯を削らないのでシビアに考えなくて結構です。痛くないというのも良い点です。ですが、削らなくて詰めますのでたまに外れることがあります。その点をご注意ください。
インプラントはしっかりと口腔ケアをしていると半永久的にもちます。私も2本入れており、それぞれ5年、8年経ちますが全く問題ないです。あくまでもインプラントは人工物ですので天然の歯のように虫歯になることはまずありません。しかしお手入れ、メンテナンスをしっかりと行わないと天然の歯と同様に歯周病にかかり抜け落ちてしまうことがあります。天然の歯というのは骨と歯の間に歯根膜という膜があって、これがクッションの役割をしていて、噛んだ時に硬いもの軟らかいものを判断します。歯根膜は繊維で繋がっていますが、歯周病が酷くなるとこの繊維が切れていきます。切れてくると歯自体が動き出して抜けていってしまいます。歯周病は慢性の感染症ですので痛みがなく進行していきます。歯周病のケアをしっかり行ってください。
のどボトケのすぐ後ろには食べ物を胃に送る食道があります。食道は気管と違って普段はギュッと閉じています。閉じていないと食べた中身が胃からのどの方に上がってきてしまうからです。しかし閉じたままでは食べ物を胃に通すことができません。ここでのどボトケが上前方に動くと食道が大きく開いて食べ物が胃に入っていきます。脳梗塞など疾患がある方や高齢の方は、咽頭弁が誤作動をしてしまって、誤嚥性肺炎と言って肺の方に食べ物が入ったりしますので、のどボトケの働きは重要です。食べ物が行き先を間違えると空気圧で吹き飛ばします、これがむせる現象です。
口の中の粘膜は重層扁平上皮といって、平べったい細胞が積み重なってできていて、この構造のおかげで舌の組織は熱いもの、すっぱいもの、辛いものの刺激から守られているのです。鼻の粘膜は口の中の細胞と形が違います。鼻から気管にわたって線毛上皮という細胞があります。この細胞が外から入ってきた汚れを外に出そうとして痰と一緒に出そうとします。おタバコを吸う方は、タバコの熱でこの線毛上皮が一瞬にしてなくなります。タバコ1本吸うだけでもなくなります。この線毛上皮ですが、一度なくなると再生するまで10年ぐらいかかります。
皆さんテレビなどで歯槽膿漏って聞いたことがあると思います。そのことが歯周病です。歯周病は歯肉炎と歯周炎を合わせたものを言います。歯肉炎は歯ぐきの腫れだけのことです。歯周炎は歯を守っている周りの組織、例えば骨などがダメージを受けて減っていくことを言います。歯肉炎を起こす菌というのは歯の表面に付きやすい菌、空気を好む菌なので好気性細菌と言いますが、これによって歯ぐきの表面が炎症を起こします。歯周炎の場合、菌が歯ぐきの中に入り込んでしまいます。空気を好まない菌が、歯を支えている骨が減る原因になります。歯医者に行って歯石を取ってください、と言っていますが、歯石の中には空気を好まない菌もかなり含まれています。歯石を取ることが歯周炎の予防に繋がります。歯を家と思ってください。歯周炎が酷くなると、地盤がゆるみ、ガタガタの所に家が建っているような状態です。歯周病というのは感染症です。お母さんやお父さんからお子さんへ移りますので毎日のブラッシングをしっかりと心がけて行ってください。
電動歯ブラシという方が良く聞くかもしれません。音波と超音波というものがありますが、歯の汚れを落とすのに丁度良いのは音波なんです。音波ブラシを使ったからといって、歯と歯の間の汚れは完全に取れない場合があります。フロス(糸ようじ)を使ったり定期的なメンテナンスが重要になります。音波ブラシでお奨めなのはソニッケアという音波ブラシです。手磨きの最大4倍のプラーク除去ができます。是非お試しください。
「あー」と大きく口を開けてみて下さい。ほっぺたの筋肉が緊張しているのが分かると思います。大きく口を開けすぎると歯ブラシが入り難くいです。少し閉じ気味の方が、筋肉が柔らかくなって入りやすいと思います。利き手側は磨き難く虫歯になりやすいところです。磨いているのと磨けているのは違います。磨き難い時のお奨めとして、ワンタフトブラシというものがあります。ワンタフトブラシでなくても奥歯を磨く際は少し小さめの歯ブラシにすると磨きやすくなります。
今回はデンタルフロスについてお話をしたいと思います。デンタルフロスとは糸ようじ、糸だけのものを言います。アメリカ人の方は小さなころからデンタルフロスを使っていて、日本人より使い方が上手です。糸の長さは10cm~20cm程が適しています。指と指とに巻いていただき、歯の面に沿って糸を入れていきます。デンタルフロスが適しているのは以下のような場合です。
歯科医院でデンタルフロスの使い方を習うこともできますのでお試しになってください。
今回は歯間ブラシについてお話をしたいと思います。歯間ブラシは先端の部分が金属でできていて、その金属の部分にナイロンの毛がついています。歯間ブラシが適しているのが以下のような場合です。
注意していただきたいのが力を入れすぎて、根もとの方に歯間ブラシを差してしまうと歯周病菌を中に押し込んでしまう可能性があります。あまり力を入れずに、入るところから使ってください。歯間ブラシにもサイズがありますので部位によって使い分けてみてください。
親知らずの抜歯について2回に分けてお話していきます。親知らずは上か下か、また生え方によっても抜きやすいか抜き難いかがあります。今回は比較的抜きやすい親知らずについてお話したいと思います。男性か女性で骨の軟らかい・硬いが違います。一番抜きやすいのは、虫歯が無く上の歯で素直に生えている歯です。上の歯の方が骨のタイプが軟らかいの抜きやすいです。結婚式の前などに痛くなってしまうと大変ですので、できればお若いうちに抜いておいた方が良いと思います。
前回は抜きやすい親知らずの抜歯についてお話しました。今回は難しい抜歯についてお話します。ちなみに歯科医院では糸を取ることを抜糸(ばついと)と言います。難しい抜歯には3種類ほどあります。まず1つ目は、歯の頭の部分より根の方が大きくなっている歯の場合は抜き難いです。当院では「どんぐり抜歯」と言っています。2つ目は虫歯が酷い親知らずで、とても抜き難いです。抜歯する道具が引っ掛け難いので、当院では歯や骨を削って取ります。虫歯になる前に、痛くなる前に早めに抜いたほうがいいです。3つ目は下顎の親知らずです。斜めに生えている方、歯の頭がちょこっとだけしか出ていない方、こういう方の場合は下顎の下歯槽神経という神経に根っこが近寄っている場合がありますので抜歯する際は注意が必要です。当院でもこれは危ないな、と判断した場合には大きな病院に紹介を致します。抜歯に関して、簡単な抜歯と難しい抜歯と分けましたが、簡単な抜歯なんて本当は無いんです。それだけ難しい抜歯ですので慎重にきちんと歯科医院で抜かれるようにしてください。
だんな様が夜息が止まっていたりしませんか?これを睡眠時無呼吸症候群(SAS)と言います。あと2つ、夜にお口の中で起きていることがあります。ブラキシズムと言って歯ぎしりですね。それから噛みしめ。歯ぎしりはギシギシ鳴るので分かるのですが、ぐっと噛みしめることをクレンチングと言うのですがこれは分からないんですね。今回は睡眠時無呼吸症候群(SAS)について2回に分けてお話致します。睡眠時無呼吸症候群は肥満の方、舌根沈下と言って下顎が少し引っこんでいる方は舌が奥の方に入り込みやすく軌道を閉塞します。夜寝ていても熟睡できずに日常生活、昼間にも支障が出てきます。低酸素の状態になって生活習慣病を引き起こすと考えられています。透析を行っている患者様が昼間寝ている間に無呼吸になることがあると言われており、非常に怖いことです。歯科医院でどういうことができるか、後編でお話したいと思います。
今回も睡眠時無呼吸症候群についてです。前回のおさらいも含めてですが、扁桃腺肥大、または咽頭扁桃と言ってアデノイドと言うのですが、これが肥大している方は軌道が閉塞しやすくなっています。体格的に肥満な方も軌道が閉塞しやすいので注意が必要です。睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、内科で紹介状いただけましたら歯科医院ではそれに特化したマウスピースを作ることができます。透析をされる方の中で睡眠時無呼吸症候群の方の場合、マウスピースをつけておくと呼吸の確保ができますので安心して透析を受けることができます。マウスピースを装着した後、睡眠時無呼吸症候群が改善しているかどうか定期的な検査を受けて下さい。
子供の歯ぎしりについて年齢別に見ていきたいと思います。お母様方からお子様の歯ぎしりについて聞かれることがあります。年齢別に理由があることもあります。乳幼児の時に上下の乳歯、乳切歯が生え始めると歯ぎしりが起こることがあります。歯がむずむずしたり、生えたての歯が気になったり、顎の位置を決めようとしたり、またその他の成長過程での準備だと言われていますので、無理に止めさせようとせず見守ってあげて下さい。乳歯は削れやすいですが奥歯が生えてくると安定してきます。お子様の顎は柔軟なので対応できてしまいます。
今回は児童、学童期、3歳から12歳に起こる歯ぎしりについてお話したいと思います。この時期は乳歯から永久歯に生え変ります。寝ている時も体と同じように顎を動かしている場合があります。小学校に上がってテストが始ったりしてストレスを感じることで歯ぎしりを夜してしまうことがあります。原因は様々です。乳歯は永久歯に比べて軟らかいので磨り減り方が早いです。また、筋肉や顎関節にも柔軟性がありますので、この場合に顎関節が痛いというような症状はあまり出ません。顎関節の症状が出る場合は頬杖を長時間ついているお子さんの場合に起こったりしますが、歯ぎしりだけで顎が痛くなるということはこの時期はあまり起きません。乳歯の歯ぎしりはあまり心配いりません。
高校生になるぐらいの時期は受験など心配事が重なってきます。この時期はストレスを感じやすくなっています。それが原因で歯ぎしりをしてしまいます。性別では20代前半までは男性の方が多いです。顎関節症を起こしやすいのも男性の方が多いです。歯ぎしりの症状として、歯がしみたり、顎が痛くなったりします。このような症状が出たら必ず歯科医院に行ってください。マウスピースを入れることも対処として必要です。当院でも半年に1回歯ぎしりによってマウスピースが割れる患者様もいらっしゃいます。こういった場合が顎関節にかなりの力がかかっていますので早めに歯科医院で診てもらってください。
今回も自費の被せ物のいいところと悪いところをもう一度お話したいと思います。オールセラミックで最近使われているのはe-maxという材料で、ジルコニアよりは少しやわらかいので、部位としては前歯に使った方がいいですよ、というお話をしたと思います。歯は根本から先端に向かって色が変わってきていると思います。それを再現できるのがオールセラミックです。1本直すのは実は歯医者にとっては至難の技なんです。4本まとめて作ろうとすると、色を合わせればいいので比較的簡単です。1本だけ自費で被せ物をするとなると、光の加減や両側の歯の色との調整などが必要になり、オールセラッミックならそのような対応が可能です。ジルコニアに関しては光の透過性がありませんので前歯には難しい場合もあります。ただ最近ではジルコニアの色合いも様々なものが出てきました。歯科医院でしっかりと話を聞いて、相談をしてください。当院でも前歯一本入れるとしたら、保険と自費のメリット・デメリットのお話や写真を使った説明もしています。
歯科医院に定期的にメンテナンスに行っている方と痛くなったときだけ行く方では、50代から80代になるにしたがって実際に残っている歯の数が変わってきます。
■50代で残っている平均の歯の数
定期メンテナンスに行っている方 :24本
定期メンテナンスに行っていない方:23本
■60代で残っている平均の歯の数
定期メンテナンスに行っている方 :22本
定期メンテナンスに行っていない方:19本
■70代で残っている平均の歯の数
定期メンテナンスに行っている方 :20本
定期メンテナンスに行っていない方:10本
■80代で残っている平均の歯の数
定期メンテナンスに行っている方 :16本
定期メンテナンスに行っていない方: 7本
歯が1本なくなることによって肩こりになったり、体調不良の原因になることもあります。まずは放置しておくということだけは控えて下さい。メンテナンスを行う際、健康な方は痛みもなくメンテナンスを終了することができます。ちょっと歯茎が腫れた方の場合は、歯石を除去したり少しクリーニングをすることで終了することができます。少し歯茎から出血が見られる方の場合は、歯石を除去したり歯茎の中に入っている歯石を取ったりすることで終了します。
今回もメンテナンスの重要性についてお話したいと思います。前回は軽度の歯周病についてのお話をしました。今回は中等度以上の歯周病の方についてのお話をします。中等度の歯周病の場合、歯の根っこの方に歯石が付きだします。そういうところをきれいにして歯の周りの環境を良くしていかなくてはなりませんので、治療の期間も延びてきます。麻酔をしながら歯ぐきの中の歯石を取ったりしていきます。もっとひどくなると歯がぐらぐらして膿が出てきます。重度になってきている方の場合、歯磨きをされていない方が多いです。はやした歯科医院に勤めているスタッフには、朝・昼・晩・寝る前の4回歯磨きをするように言っています。汚れの中に潜んでいる歯周病菌を減らしていくことが大事です。歯が無くなってしまうと部分入れ歯やブリッジ、ひどい場合は総入れ歯になってしまうかもしれません。保険内での対応もだんだん難しくなってきます。歯周病は悪化していくにつれて治療期間が長くなってきますので、さらに歯医者に行きたくなくなってしまいます。是非定期健診を大事にしてください。
乳歯って何本あるかご存知ですか?実は20本あります。乳歯と乳歯の間の隙間、お子さまにこの隙間がなければ少し気にかけておいてください。学問上は発育空隙、霊長空隙と言いますが、乳歯と乳歯の間に隙間が無いと永久歯が生えてきたときにスペースが足りなくなることがあります。乳歯の時に隙間が無ければ永久歯になった時には歯並びが悪くなる可能性が高いということです。最近の子供は栄養状態が良いので歯のサイズが大きくなってきています。骨格は変わらないのに歯の大きさが大きくなると歯並びは悪くなってきます。お子さまの乳歯の隙間など確認してみて下さい。
ほっぺの筋肉は表情筋と呼ばれ、もともとは表情を作るために進化したのではなく、食べ物を食べたり母乳を吸ったりするために進化しました。この筋肉のおかげでしっかりと表情を作ることができます。あかちゃんの中でも母乳が上手く飲めないあかちゃんは、お口の周りの筋肉が弱い可能性があります。ほっぺの筋肉が弱いと笑うこともあまりできなかったり、成人になってからも食事中にくちゃくちゃ音がしたりします。こういったことはお口の周りの筋肉を正しく使ってないということです。口元に集まる筋肉を正しく使うということを小さなうちから訓練しておくといいと思います。アイスの棒などを舌の上に置いて、それを上あごに押し当てる訓練をするとお口の周りの筋肉をかためていくことができます。
悪習癖と歯並びの関係について2回に分けてお話をしたいと思います。悪習癖4つのうち2つを今回お話していきます。乳歯列(乳歯の時の歯の列)が生え終わった頃から小学校卒業するまでの悪い癖は、顎の成長だけではなく体の成長にも悪い影響を与えることがあります。そのひとつに「頬杖をつく」というのがあります。この頬杖なんですがかなりの力がかかり、歯が内側に押し込まれて歯列が変形し、歯並びが悪くなったり下顎の発育を邪魔したりすることがあります。若い男性に症状の出やすい顎関節症の原因につながることもあります。もうひとつは「指しゃぶり」です。指に押されて顎の骨の形が変形します。前歯が噛み合わない状態-開咬(かいこう)と言いますが、軽度であれば癖を直すことで自然に治ることもありますが、この状況が長く続くと、うどんも噛み切れない状況になってしまうこともあります。こういった気になる癖はなるべく早めに歯医者さんに相談してください。どのようにして癖をスムーズに止めさせてあげられるか、ということを歯医者さんはよく知っていますのでお聞きになってください。
前回に引き続き悪習癖と歯並びの関係についてです。下唇を噛むというお子さまいらっしゃいませんか?上の歯で下唇噛む癖があると出っ歯になってしまうこともあります。上の歯と下の歯がかまないので開咬の原因になってしまいます。お子さまの唇の下のところに黒い線が入っているとそのような癖があるかもしれません。呼吸には鼻呼吸と口呼吸という方法がありますが、口を開けて食べる方は口呼吸なんです。上下の歯がかみ合っていない方によく見られます。口を開けてくちゃくちゃと噛むと頬の筋肉が緊張して横から歯を押しますので、歯列が狭くなって奥歯でしっかりと噛めなくなってしまいます。口呼吸のある方は扁桃腺が大きかったりする場合もあります。アデノイドという扁桃腺の奥が酷く炎症を起こしているケースもあります。鼻炎、蓄膿の方も口呼吸をして歯並びが悪くなります。口呼吸をする方は矯正が難しくなりますので、早めに歯科医院で聞いてみて下さい。
指しゃぶり、下唇をかむ、という悪い癖を直すにはリップクリームを塗るのが効果的です。唇に何かを塗っていると、癖が出たときに気付きます。まずは悪い癖が付いているということを意識することが大切です。指しゃぶりは3歳~5歳の間にはやめておいた方が絶対にいいです。歯科的には歯並びが悪くなるということもありますので早めに直した方がいいです。寝るときに靴下を手に引っ掛けて寝るのも効果があります。もちろんきれいなものですよ(笑)。
利き手側の奥歯の内側を上手く磨くテクニックをお伝えします。無意識に磨いていると歯の上ばかり磨いてしまい、歯の内側、特に歯周病予防に大切な歯と歯茎の境目に毛先が当たらなくなってしまいます。歯が内側に傾いている方はきちんと磨けていないことが多いです。そこに歯石が溜まってしまい歯周病が酷くなってしまうケースがあります。改善のポイントとして、歯ブラシの歯面と歯が平行になるように歯ブラシを挿入してください。鏡を見ながら、毛先が歯の面と平行に内側の面に当たっているか確認してみてください。磨きにくい利き手側の奥歯は、まずは意識して磨くことが大切です。磨いた後、舌で触ってざらざらしていないか確認してみてください。歯科医院に通われてる方はタフトブラシという先が小さい使いやすいものもありますので是非使ってみてください。
骨粗鬆症のお薬の話をしたいと思います。骨粗鬆症のお薬をひっくるめてビスフォスフォネートと言います。お薬の名前としては、フォサマック、ダイドロネル、アクトネル、ビスフォナールなどがあります。実は骨は毎日作りかえられています。骨を作る細胞、骨を破壊する細胞があり、破壊して作ってを繰り返しています。骨粗鬆症のお薬には壊す細胞を抑制する場合があります。例えば歯を抜こうと思った時、お薬の影響でその周りが腐ってしまう、腐骨と言いますが、そのような状況を作ってしまうことがあります。その場合、お薬を止めていただけないと歯を抜けない場合があります。骨粗鬆症のお薬を出されていて、歯科医院で抜歯やインプラントが必要な場合には必ずご報告をください。お薬によって顎骨壊死、顎骨骨髄炎が起こることもありますのでご注意ください。
お口の中の臭いはお口の中の菌によって発生します。主な原因として考えられるのは虫歯、歯周病、歯石などが考えられます。舌を確認してみてください。白くなっていませんか?これを舌苔(ぜったい)と言います。これも口臭の原因となります。どうやってきれいな息を作っていくか?まず歯科医院に行っていただき、歯石を取り、虫歯の治療をしていただきます。それから歯科衛生士さんにPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)というクリーニングをしていただきます。その他の原因として生理的な口臭があります。
その他にも花粉症、アレルギー性鼻炎、蓄膿症、または肝炎の方の場合にも口臭の原因となります。口臭が強いと感じた場合はまずは歯科医院行っていただき、その後全身的なことも考えられますので、その際は医科へご紹介することもできます。
フッ素というのは歯の石灰化を促すものです。歯のエナメル質であるハイドロキシアパタイトという部分がフッ素を取りこむことで、フルオロアパタイトという歯自体を守る役目をして強くしていきます。フッ素を塗ってあげると虫歯になりにくくなります。小さなお子さんをお持ちの方は、レノビーゴ、ミラノールと言ううがい薬があります、低濃度のフッ素で予防していただくと良いと思います。歯科医院で行うフッ素の場合は少し高濃度で、歯を強化し虫歯になりにくい状態を維持することができます。12歳未満のお子さん、特に永久歯が生えてきたころは一番虫歯になりやすい頃で、生えたばかりの大人の歯を幼若永久歯と言います。この時期にフッ素をしておくと虫歯になりにくくなります。歯科医院でのフッ素の塗布は2ヶ月から3ヶ月に1回を続けていただくと虫歯になりにくくなります。
年齢を重ねるごとに味が濃くなったという方いませんか?舌はとても敏感です。舌にあるぶつぶつしたもの、乳頭と言いますが、乳頭の細胞に味蕾(みらい)というものがあり、ここで味を感じます。味蕾は年を取ると減少していき、1/2~1/3になると味がとても濃くなってきます。刺激物を多飲される方は味が分かりずらくなってきます。舌に汚れがついていることはないですか?そのような時は舌(タン)クリーナーを使ってください。歯ブラシでは舌の毛細血管を傷つけてしまいますので、やわらかい舌(タン)クリーナーを利用してください。舌(タン)クリーナーはもちろん歯科院でお求めいただけます。
食事をするとプラーク、汚れが付きます。お口の中の磨き残された食べ物のカスを餌にした細菌のかたまりがプラークです。かたまりやすい所は、歯と歯の間、歯の溝、歯茎の際です。プラークが増殖して厚みを増すと薄い膜、バイオフィルムと言って、フッ素や抗生物質、免疫細胞の白血球などが汚れに対して浸入できないように膜を作ってしまいます。蓄積しだすと歯ブラシでは取れなくなります。取るには歯ブラシは基本ですが、歯科医院で定期的なプロフェッショナルケアと言って歯科衛生士さんを中心に歯石を取ったり、汚れを除去したりすることが必要になります。バイオフィルムの中のプラークの1mgの中に数十億個の細菌がいます。しかも耐性も強くて薬剤も通しません。バイオフィルムは細菌のかたまりです。
酸蝕歯-酸によって蝕まれる歯と書きます。ガムや飴をよく食べる方いらっしゃると思います。そういう方の中には歯がしみたり、歯がかけたり、歯の噛み合わせのところがへこんできてしまっている方がいると思います。食べ物はほとんどが酸性ですので、それによって歯のエナメル質が溶かされてへこんでしまっているんです。酸性が強い飲み物があります。ビールやコーラ、スポーツドリンクなどは酸性の強い飲み物ですので、常時飲まれている方は酸蝕歯になりやすいのでご注意ください。予防としましては、酸性の物を接種後20分から30分後に歯磨きをしてください。また酸性の物を口にしたらすぐに水やお茶を飲むことも予防となります。
ミラノールというのは、フッ素洗口の薬剤です。使い方はとても簡単で寝る前に歯磨きした後にぶくぶくうがいをする薬剤で、虫歯になりかけた歯を修復したり、虫歯菌の出す酸に溶けにくい歯にしたりと、虫歯菌のはたらきを抑える効果があります。小学校においても諫早市の小長井地区でもフッ素洗口が始まっています。江戸時代から長崎や佐賀はシュガーロードと言われるぐらい砂糖をよく使います。実は佐賀県は、ここ5~6年で小学生の虫歯の発生率が下がってきていて全国でも10位に入るほどです。佐賀県は全校でフッ素洗口をしています。今後長崎県でも全校で使われるようになっていくと思います。歯科医院にも常時置いてあると思います。1回分で100円もかからずとても経済的です。特に歯の生えかわりの時期は幼若永久歯と言いまして、乳歯と永久歯の間ぐらいの時期は、虫歯になりやすい時期ですのでフッ素洗口してみるのもいいかもしれません。
前編では保険の被せ物についてお話致します。奥歯の方に銀歯が皆さんあると思います。この銀歯ですが金属アレルギーも見られ、円形脱毛症が起こったりします。保険ではどうしても材料が限られてしまい、金銀パラジウムと言いまして、色は銀色ですが合金になっています。以前は、前から数えて3番目の犬歯よりも後ろの被せ物はすべて銀歯だったのですが、今は4番目、5番目の歯は削りだしでCAD/CAM(キャドキャム)と言うのですが、白いものにできることがあります。5番目の歯までは保険内でも白いものにできるようになってきています。ただ1点欠点もありまして、少しかけやすい可能性もありますので、歯ぎしりが強い方、噛みしめる方は合わない可能性もあります。それから前歯の被せ物については表面は白いものでできますが、裏側は保険内ですと金属になってしまいます。保険の被せ物は色を拾いやすいく、コーヒーなどよく飲む方は色が付きやすいので、気になる方は自費の被せ物についてお話も致しますので楽しみにしてください。
後編の今回は自費の被せ物についてお話致します。大きく分けて白い被せ物と、内側が金属で外側が白い被せ物があります。皆さん気になる前歯の被せ物に適しているのはオールセラミックと言いまして、とても良い材料でものすごくきれいになります。もうひとつ、ジルコニアと言うものがありまして、人口ダイヤモンドとも言われとても硬い材料でできています。光の透過性がないですが耐久性にはすぐれていますのでブリッジなどに使われるのには良いかもしれません。オールセラミックもジルコニアも元の歯の色に近いですが、オールセラミックの方がきれいになります。ハイブリッドと言うものがあります。プラスチックの材料が含まれていて、年月が経過するとちょっと汚れも目立ってきて、少し柔らかく奥歯についてはかけやすい可能性があります。メタルボンドと言う被せ物があります。中は金属で外は陶材(オールセラミック)でできています。中の金属を見えないようにある程度の白さを持ちますので光の透過性はありません。皆さん望まれるのはオールセラミックかもしれませんが部位によって使い分けが必要です。オールセラミックはジルコニアよりは少し弱いです。例えば、前歯など審美的なところはオールセラミックを使って、奥歯の噛むところはジルコニアを使われても良いのかと思います。
歯が無くなったところに、保険の部分であれば入れ歯を入れたりブリッジを入れたりしますが、インプラントのメリットとしては隣同士の歯を削らなくて済むことです。ボルトのような人口の土台を入れた後、白い上物や金属の上物を作ったりします。インプラントは骨と直接つきますので"あそび"が無いので、慣れてくるまでは天然の歯と感じ方が違います。インプラントについてはまた別の機会にも頑張ってお話したいと思います。
何故親知らずって言うのでしょうか?親知らずは18歳以上で生えるもので、若干の個人差があります。昔は人間の寿命が短かかったので、この歯が生えるころには親が亡くなっていたので親が知らない歯、親知らずと言われています。親知らずは抜いたほうがいいです。歯茎の部分に歯周病菌が溜まりやすく歯が腫れる智歯周囲炎というものが起こってきやすくなります。特に腫れやすいのが妊娠、更年期、結婚式の前、夜勤される場合など睡眠時間が短かったり生活パターンが普段と異なる場合は炎症がおこりやすくなってきます。腫れが引かない場合、お薬をもらいにくる方が多いのですが、お薬を多用することによって引いたり腫れたりを繰り返しますが、だんだんお薬の量が多くなってしまい根本の解決にはなりません。
がん全体の2%に過ぎませんが、実は白血病を上回っています。症状としては粘膜が赤くまたは白くなり、しこりや腫れがでます。特にほっぺたやべろが動きにくい、しゃべりずらい、という場合、がんの可能性があります。がんは進行しだしてから自覚症状が出てくるので、発見が遅れやすい傾向にあります。がんになりやすい方は、お酒を多量に飲む方、タバコを吸う方、お口の中を不潔にされている方、虫歯や歯の抜けた箇所をそのままにしている方、合ってない入れ歯をしている方、などです。
実はお子様の早産、未熟児の出産の原因の第3位に歯周病が入っています。健康な方に比べて歯周病の方の低体重児の出産は7倍から8倍と言われています。歯科医院で治療していただきたいのは、歯周病のための歯石取りや歯のクリーニングです。歯周病菌は腫れたり出血したりします。歯磨きで出血しだしたら歯科医院でみていただいてください。出血が起こると毛細血管に歯周病菌が入り込んで、この菌が羊水に入り込んで胎児に影響を及ぼします。
お母さんの場合、妊娠されている時には妊娠性歯肉炎などあるのですが、妊娠が終わると改善する傾向にあります。お父さんの場合、歯科医院へ定期的にメンテナンスをしていなければ、お若い方でも重度の歯周病の方もいます。お仕事の後にも診療している歯科医院もありますので、是非定期健診を受けられて歯周病の悪化を防いでおかないと赤ちゃんに接する際に歯周病菌が垂直感染してしまう場合があります。お父さん方に気をつけていただきたいのは、歯の下の方の裏側に白い歯石がつき始めたら歯科医院で取っていただき、ブラッシングも専門の衛生士さんに歯科医院に通院して診てもらってください。
親知らずを除くと歯は約28本あります。歯がある数によって食べ物が変わってきます。1本歯を無くしてしまうと、残った歯と骨に何らかの異常が発生します。このような悪循環が続いてしまいます。本数によってどんな食べ物が食べられるでしょうか。
18本から28本の方:たくあん、フランスパン、いかの刺身
6本から17本の方:かまぼこ、おこわ、豚肉の薄切り
0本から5本の方:うどん、豆腐、バナナ、なすの煮つけ
悪循環を止めるために、入れ歯をしたり、ブリッジ、インプラントを入れないといけないかもしれません。ただ気をつけていただきたいのは歯を無くさないことが一番重要ですので、定期的に歯科医院で診てもらってください。
問題です!虫歯になる危険性を低くしてくれる食べ物は何でしょう?
それは実はチーズなんです。
フッ素の次に虫歯予防に役立つ食品と言われています。
チーズの中に多用に含まれるリン酸の力で、お口の中の酸性の状態を改善する働きがあります。歯磨きの後にチーズをかじるというのも歯に良いのです。一緒にワインを飲んでしまったりしないでチーズだけ食べて下さいね。
水道の水が冷たくて朝の歯磨きの時はズキンッ!としみることがあると思います。これはですね巷で言われている知覚過敏症なんですね。特に歯を磨いていたりとか虫歯で無いのに歯が瞬間的にしみたり、不快に感じる症状のことを知覚過敏症と言います。加齢とともに歯茎が下がってくると歯と歯茎の境目、こういうところからしみやすくなってきます。原因として考えられることはは歯ぎしりです。歯ぎしりにも2パターンあります。ぎしぎし横に動かす歯ぎしりと、ぐっと噛みしめる歯ぎしりがあります。ぐっと噛みしめる歯ぎしりの場合は家族の方は誰も気付きません。ほんとに噛んでないか歯科医院でチェックしていただくことが必要になってきます。歯周病によって歯茎が下がってしみることもあります。これも一つの原因として考えられます。虫歯にならないと、虫歯が無いと歯医者には行かないという方もいらっしゃいますが、歯周病の可能性もありますので、是非歯科医院で診てもらってください。