酸蝕歯の治療

酸蝕歯とは

酸蝕歯とは、酸性の食物や飲料水(ほとんどが酸性です)、特にガムなどを常時噛んでいる方など、歯の表面のエナメル質が常に酸性に置かれている方の場合、唾液の緩衝能(酸の状態を中性に戻そうとする力)を阻害し、歯が取れる状況を言います。 

最近では、健康ブームもあり、運動後に酢(酸性)を飲むなどを行うことにより、歯が溶かされるという事例もあります。 

歯の表面のエナメル質が溶かされると、その下の柔らかい象牙質(エナメル質よりも柔らかい)部分が露出してきます。そうなると一気に症状は悪化します。 

酸蝕歯となった事例を2例紹介します。


酸蝕歯 事例1

まず、常に仕事中、ガムを噛んでおられ、缶コーヒーもよく飲まれる方の症例ですが、噛み合わせの部分が溶かされ、象牙質も露出し、冷たい水でしみるとのことでした。

酸蝕歯 事例1
酸蝕歯 事例1

酸蝕歯 事例2

さらにもう一例ですが、毎日運動後にスポーツドリンクを欠かさず飲まれていた症例です。

スポーツドリンクは水分補給のために体にはいいのですが、毎日多量に飲まれることにより、歯が溶けてしまいますのでご注意ください。

施術前

施術前

施術後

施術後

治療法

 1  コンポジットレジンというプラスティックの詰め物で詰めていきます。その処置により、象牙質から歯髄への細菌の侵入を防ぎます。
 2  もし、酸蝕歯が原因で疼くような症状が出ていれば、歯髄(一般的に神経といわれる)の治療が必要となります。


注意しなければいけない点

 1  運動後のスポーツドリンクの過剰摂取をやめること。
 2  赤ちゃんの哺乳瓶にミルクの代わりにジュースを入れ、頻繁に長時間与えないようにすること。
 3  飲酒において、だらだらと長時間飲む習慣がある方は、なるべく控えること。

まだまだ、注意すべき点があると考えられますが、上記の点などにご注意ください。